#プレビュー 【2022YBCルヴァンカップ決勝 セレッソ大阪×サンフレッチェ広島】

はしがき

毎度お世話になっております。天皇杯決勝から中5日で開催されるはルヴァンカップの決勝。セレッソ大阪戦のプレビューです。まずは両チームの状況の整理から。

チーム状況の整理

セレッソ大阪

9月に入ってからの戦績はこちら。

天皇杯で広島に負けて以降1か月ほど負けなしでしたが直近のリーグ戦では負傷者が続いたこともあり東京に0-4で完敗。それまでの試合でも優位に進めながら追いつかれての引き分けが目立ち、チーム状況については微妙なところ。リーグ戦では広島と4ポイント差の4位で、わずかにACL出場の可能性も残っています。

サンフレッチェ広島

9月に入ってからの戦績はこちら。

天皇杯決勝のプレビューでチーム状況は決して悪くないと書きましたが、甲府戦の前半は重い立ち上がり。掴みかけた栄光を逃すショッキングな敗北から6日での決勝となり、チームが雰囲気を立て直せているかは正直怪しいように思います。
明るい材料としては今季セレッソとの対戦が3戦3勝であること。内容で勝っていたかというとそうでもないですが、良いイメージは持ちやすいかもしれません。

予想スタメン

セレッソは4-4-2、広島は3-4-2-1の予想です。

セレッソは前節奥埜が不在で鈴木が早い段階で交替とDHに負傷者続き。この試合も間に合うかどうかはちょっと分かりません。また、トップには加藤やブルーノメンデスもコンスタントに出場しており誰が出てくるか読めないところです。
一方でサイドの4人は鉄板に近く、出られる時にはほとんど変えていない印象。山中は前節負傷交代でしたが、間に合えば間違いなく出てくる選手でしょう。

一方の広島は天皇杯決勝からドウグラス→ナッシムの変更で予想。ドウグラスは負傷の報道があるようですね。また、エゼキエウも間に合わないだろうということで、ベンチには柴崎が入るか浅野が入るか、という感じでしょうか。
ただショックの大きい敗戦から間もないということで、練習での様子によっては変えてくる可能性もあります。こちらも若干読みにくくなっていますね。

展望

保持のカードが多いセレッソ

基本的にはセレッソはボールを持ちたいチーム。ここ数試合で見られるのが保持時4-3-3への可変でボール前進するパターンです。

2トップの一角である上門が中盤まで降り、IHのように振舞うパターンですね。鈴木と奥埜の2DHは鈴木がアンカーのように振舞うことが多いですが、ここは逆になることもありそうです。
セレッソは中盤を介した保持でSBを高い位置まで押し上げながら相手のプレスを外し、SBから早いクロスを入れるのがセレッソの最も強い攻撃パターン。今季広島から奪った2得点はいずれも左サイドの速いクロスからでした。このパターンを数多く作り出すのがセレッソの狙いとなるでしょう。

広島は保持時4バックのチームに対しては1トップが下がって中盤を捕まえ、2シャドーがCBにプレッシャーをかけるという形で今シーズンは固まっています。セレッソが4-4-2でも4-3-3でもそんなにやることは変わらないですが、役割を入れ替えられるセレッソの中盤3枚に対してどのようにマークを受け渡していくかは問われることになりそうです。
また、これまで散々狙われてきた広島のDHの背後も当然狙われるでしょう。というか蓋を開けたらセレッソがガチガチの4-4-2でDHの背後を集中砲火してくる、なんていう展開もあり得ます。広島としては前に出る意識は忘れないようにしつつ、相手の出方を早めに把握することが求められます。

逃げ場所をどこに見つけるか?

一方、広島がボールを持った場合はセレッソが積極的にプレッシャーをかけてくることが考えられます。これまでの対戦でもそうでしたし、セレッソはここ数試合も相手によらず高い位置からプレッシャーを仕掛けていく傾向があります。

セレッソは対3バックのプレスではSHとSBを高い位置まで上げて最終ラインまでプレッシャーをかけてくることが多いです。こういう場合は相手のSBの裏に長いボールを蹴って裏返すのが広島の常套手段ですが、セレッソの場合はCBがしっかりスライドしてこのスペースを埋めます。特に右CBのヨニッチは対人が強く、ここを剥がして裏を取るのは難しいところ。ジェジエウに裏抜けを潰され続けた川崎戦の二の舞になりかねません。
そこで活用したいのが中盤の数的優位。SHが前に出てCBがサイドまで出張となれば、シャドーとDHのうち誰かは空いてくるはずです。セレッソは湘南戦でもここを湘南の3センターに使われて中央からの前進を許していました。広島は中盤に4人いるわけですからここに勇気をもって縦パスを通し、チャンスに結び付けたいところ。
甲府戦では中央にほとんど侵入できずブロックの攻略に苦労しましたが、突きつけられた宿題に対する回答を持っているかを試されることになります。

試合に向けて

広島は甲府戦で低調な立ち上がりを見せ、守備ブロックの攻略に時間がかかりPK戦で敗北することとなりました。やはり甲府の守備に対して動かす努力を忘れてしまったのが苦しかった。今シーズンの広島に何度か見られた現象ですが、前半に自分たちのすべきことを忘れてしまいハーフタイムの修正から巻き返すという展開でした。
もちろんそれで巻き返せる試合もありましたが、カップファイナルでは序盤の劣勢が命取りになることは十分にあり得ますし、そのことを先週身をもって知ったはずです。
今週の決勝では序盤から自分たちのやるべきことにしっかりフォーカスした試合を見たいと思います。
保持では幅、奥行き、ライン間を使い分けて相手を揺さぶること、非保持では相手の配置を見ながら積極的にプレッシャーをかけていくこと。自分たちのやるべきことを果たしていったならば、その先にタイトルが見えるはずです。

それではまた次回。