#34 【2022J1第34節 サガン鳥栖×サンフレッチェ広島】

はしがき

平素は大変お世話になっております。2022年も最終節。開幕戦と同じカードのサガン鳥栖戦ですね。多摩川クラシコも開幕戦以来でやっていたので全カードそうなのかと思いましたが別にそんなことはないらしいです。スタメンは以下。

広島は敗れた前節から荒木→住吉の変更のみ。どうやら荒木は怪我らしいですね。引き分け以上で位確定、負けてもまあまあ大丈夫そうですがしっかりと自力で決めたいところです。
鳥栖は湘南に完敗を喫した前節から3人変更。リーグ戦は5試合勝ちなしですが残留は既に決まっており、良い形で締めくくりたいところですね。

WBを動かしてのプラスアルファ

さて、試合は開始早々にセットプレーから佐々木が押し込んで広島が先制します。最終節ともなればチーム状況次第では大きな意味を持つ1点でしょうが、この2チームにはあんまり影響していませんでした。お互いに最終ラインからのビルドアップを試み、相手のビルドアップ隊にはプレッシャーをかけていきます。

鳥栖のボール保持で目立ったのは右WBの岩崎を高い位置まで上げて広島のWBを押し下げ、サイドにできたスペースを使う形です。右のCBが高い位置まで進出するパターンがセットになりがちですね。これ自体は札幌も前の試合でやってきたことで広島がよくやられる手なのですが、鳥栖はさらにスペースの使い方を複数持っていたのが印象的でした。

右CBのファンソッコが高い位置を取るだけでなく、右シャドーの西川が降りて行ってビルドアップの出口になるのがその一つです。西川の対面は佐々木になりますが、さすがにCBがサイドの高い位置まで出張するのは厳しく、ここでボールを受けられることが結構ありました。
一応ここには野津田や川村がスライドしていくという手もあるのですが、鳥栖はDHの福田(と、後半に入ってきた藤田)が最終ラインに落ちるというパターンも持っていました。こうなると広島のDHは降りていく福田を見るのかサイドに流れる西川を見るのか中央の小泉を見るのかで迷ってしまい、空いたところから前進されることが多かったですね。前節対戦した札幌も複数の可変を組み合わせていたと思いますが、鳥栖の方がよりシステマチックに可変しているという印象を強く受けました。

ただ広島も好き放題前進されっぱなしということはなく、満田の二度追いやCBの対人性能で凌ぎ、うまくマークを受け渡せたときに高い位置で奪えるシーンも結構作れていました。特に右サイドの野上と塩谷はスムーズにマークを受け渡して前プレスに行っているのが印象的でした。

前節も書きましたが、広島は多少噛み合わせをずらされても強度で解決できるのが大きな強みだなーと感じます。後方が対人強いから前線は思い切ってプレスに出ていけるし、前線が思い切ってコースを限定してくれるので後方がボールを奪いやすいという、良い循環ができていると思います。

DHを動かしにかかる広島

広島のボール保持はいつも通りの振る舞いでした。左右のCBがボールを持った時にWBが降りてきてシャドーやDHがその背後に出ていくやつですね。

これ自体はいつも通りなのですが、鳥栖はCBがあまりシャドーを捕まえに来ないからかDHが動かされてスペースが空く場面が多く、そこを広島の選手たちがうまく使えているのが印象的でした。シャドーやDHが受けるのはもちろん、ナッシムが降りてくる動きも多かったですし佐々木や塩谷が進出してくる場面もありました。

ここでボールを持てればクロスを上げるなり逆サイドに展開するなりハーフスペースに裏抜けを狙うなりいろいろなことができます。この試合を通して広島は鳥栖のDH周りをうまく使って深い位置に侵入できており、特に後半立ち上がりから失点するまでの押し込み方は見事だったなーと感じました。そこで連続で失点してしまうのがサッカーの難しいところですね。

それにしても両チームとも同じ並びなのにボールを持った時のWBの振る舞いが真逆なのは面白いですね。広島は背後を突くのが狙いなので相手を誘い出すためにWBを下げており、鳥栖はビルドアップによる前進を狙っているので時間とスペースを作るためにWBを押し上げているということでしょうか。両チームのコンセプトが反映された面白い現象に思えました。

進化を感じたWBの振る舞い

さて、広島は3分間で2失点を喫してしまい、今シーズン何度か見せていたナイーブな一面を再び見せることになりました。ここは来年に持ち越しかなーと思いましたが、一方で進化を感じられる現象が後半に見られました。それがWBの振る舞いです。

一つがボール保持時に高い位置を取るというパターン。WBの野上、川村が高い位置を取って相手のWBを押し下げることでサイドにスペースを作り、そこにシャドーが入ってボールを受けられます。まんま札幌や鳥栖にやられたことそのままですが、広島ではあまり見られなかった現象なので意外でした。これをいつものWBが下がるパターンと使い分けられれば相手はより捕まえづらくなり、サイドの高い位置で起点を作りやすくなります。来シーズンはこのように立ち位置を状況に応じて変化させるというタスクがWBに求められることになるのかもしれませんね。

また、これは右WBの野上限定のような気もしますが中央に絞ってDHが空けたスペースをカバーする、という動きも何度か見られました。鳥栖のDHが最終ラインに降りて、それを広島のDHが捕まえに行ったときに代わりに中央に絞ってくるわけですね。広島のDHは野津田、川村、松本と走れる選手が揃っており相手を捕まえるために出張していくことも多くなるので、その解決策としては理に適っていると思います。
浦和戦でも茶島がこんな感じのことをやっていましたが、彼らのようなバランサータイプをWBに起用する場合は中央のカバーも任せることになっていくのかもしれませんね。柏や藤井のような突破力のあるタイプはこれを要求しない代わりに得点に絡むことで帳尻を合わせる、みたいなバランスのとり方をしていくのではないでしょうか。
なかなか先発の固定されなかったWBですが、ここの人選でゲームプランが垣間見えるようになっていくのかもしれません。

試合を終えて

鳥栖は苦しい展開でしたが広島のミスを見逃さず勝ち点1を掴むことに成功。シーズン前は監督交代や主力の流出もあり決して評価は高くなかったと思いますが、洗練されたボール保持と強度の高さを引き継ぎJ1でもしっかり戦えるチームとなっているのはお見事でした。体制が変わってもスタイルを維持できていることからチームの哲学というか方針が定まっていることが感じられます。そろそろカップファイナルとか出ている姿を見てみたチームです。

広島としてはナイーブな一面も見えましたが、今シーズン広島が強みとしてきた強度や背後への動きがしっかりと発揮され、さらに進化の兆しも見えた好ゲームだったと思います。引き分けたことで自力で3位を確保。シーズン前の評価からすれば望外の好成績といえるでしょう。
CBの対人性能はピカイチだが後はよく分からん、という感じだった昨シーズンから1年でここまで成長したチームが見られるのはとても幸せなことですね。まだまだ伸びしろはありますが、来シーズンも成長したチームを見られることに期待したいと思います。

それではまた来年!

#33 【2022J1第33節 サンフレッチェ広島×北海道コンサドーレ札幌】

はしがき

毎度お世話になっております。今回はホーム札幌戦。リーグ戦ラスト2試合にしてホーム最後の試合ですね。スタメンは以下。

お互いに3-4-2-1の並びとなりました。広島はルヴァン決勝から松本→柏の変更。札幌は前節から2週間くらい経ってますが、荒野→宮澤、小柏→興梠の2枚変更となりました。

スピードでズレを使う広島

試合は開始直後からお互いのやりたいことが存分に発揮されるゲームとなりました。

広島は最終ラインでボールを持つといつものようにWBが低い位置に降りてきます。札幌はマンツーマンでの対応なのでWBがそのまま上がって監視する形になるのですが、こうするとCBとWBの間が空く形になるのでそこにシャドーやDHが飛び出していく形が見られました。

これは広島のいつもの形ですね。この他にもナッシムが下がってきてポストプレーして近くのシャドーとワンツーして抜け出しを狙うパターンもありました。札幌はマンツーマンなのでこういう風に人を動かして空いたスペースを狙うのは効きますね。

ただ広島の場合は札幌の陣形を見て人を動かしているというよりは、もともと狙いたいところが決まっていて、そこに高速で突撃しているというほうがイメージとしては近かったです。
WBが下がっていくことで相手が4バックならSBを、5バックならWBを釣りだせます。また、相手の陣形がどうであってもサイドの深い位置を取ってからのクロスというのは守りづらい攻撃です。ある程度汎用性のある攻め筋なので、いつも通りに使っていこうというイメージなのではないでしょうか。

マンツー対策は人を動かすこと

一方の札幌は広島のプレッシングに対して人を動かすことで剥がしてきたのが印象的でした。

DHの宮澤が最終ラインに降りる代わりに左右のCBが高い位置を取り、WBを高い位置に押し上げます。これによって広島のWBを低い位置に押し下げ、左右のCBがサイドの高い位置で時間とスペースを得られます。
まあいわゆるミシャ式なので、札幌がいつもやっていることなのかなと思います。アウェイでの対戦時でもやられましたね。広島はWBを前に上げた積極的なプレスを行えずにシャドーがCBを追いかけることを強いられるため苦しい形です。また、プレスを回避した所から広島のCB陣の背後に長いボールが飛んでくるためCB陣が潰せないのもつらいところ。さらに降りていく宮澤にDHがついて行くと中央も空いてしまうのでそこも使われてしまいますね。

広島としては前回対戦時のようにWBを前に出し、CBをスライドさせて埋めつつ中央は動かさないという対応ができれば札幌のビルドアップを阻害できたのかなーと思います。

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さらに札幌はボールを持って押し込むと中盤の選手が飛び出していくことで広島のDHを最終ラインに吸収させようとする動きも繰り出してきました。

広島はこのポジション移動に対しても人について行く傾向が強いので、宮澤の降りる動きと合わせて中央に誰もいなくなってしまうこともありました。
マンツーマン相手ということで相手を動かしてスペースを使おうとするのは広島も札幌も同じでしたが、相手に対してより効果的な人とボールの動かし方をしていたのは札幌だったなという印象でした。

自分たちのサッカーも大事

さて、札幌の方が相手をよく見てサッカーしていて結果も出たので広島もそうしたいねという結論でもいいのですが、というかまあそうしたいのは確かなのですが、そう単純でもないかなということはこの試合を見て考えました。

というのは、結局この試合のスタッツはシュート数も枠内シュート数もほぼ互角。決定機の数も同じか、もしかしたら広島の方が多かったかもしれません。内容そのものが悲観するほど悪いわけではなかったように映るんですよね。

これはやっぱり、広島の強みである背後への速い攻撃や高い位置からのプレスが(回避されることも多かったとはいえ)チャンスに結びついていたということなのだと思います。決して相手に合わせた柔軟なサッカーをしていたわけではないですが、今季磨いてきた強みを押し付ける形でいいところまで行っていたという印象でした。

今シーズン、スキッベ監督のコメントとしてよく聞いたのは「ボールを早く動かす」「相手の背後を狙う」「相手より自分たちのパフォーマンスが大事」というあたりだと思います。独りよがりという印象も受けるコメントですが、自分たちのやりたいことにフォーカスし続けることで選手たちが慣れてくる。そして意思決定が早くなり、相手が対応する前に押し切れるという側面もあるのではないかと。もちろんそれだけだとこの試合みたいに結果が出ないこともあるのですが、これまでに積み上げてきた強みはピッチに表れていたと感じます。

ブラジルW杯の敗北以降、特に「相手を見てサッカーをする」ことの重要性が叫ばれている感もありますが、自分たちのできることを突き詰めていくという考えも大事なのかなーということを考える試合でした。

今季はラスト1試合。これまで高めてきた自分たちのサッカーを示して、勝って終わりたいところですね。

それではまた次回。

#レビュー 【YBCルヴァンカップ決勝 セレッソ大阪×サンフレッチェ広島】

はしがき

毎度お世話になっております。ルヴァンカップファイナル、セレッソ大阪戦のレビューです。激動の2週間連続ファイナルも終わったのでいつも通り振り返りたいと思います。

プレビューはこちらです。

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スタメンは以下。

セレッソはいつも通りの4-4-2。出場が怪しい説もあった山中、松田、奥埜あたりは全員間に合って先発。2トップには加藤と上門がチョイスされました。

一方の広島は天皇杯決勝から3人チェンジ。両WBに川村と野上、1トップにはナッシムが起用されています。柏、茶島がいた先週と比べると強度が高めのセットと言えそうです。

背後に脱出するセレッソ

さて、今シーズンの広島対策としてはDHの背後で長いボールを収めてプレスを剥がして前進、というのが半ば確立されていました。しかしこの試合の序盤にセレッソが見せたのはやや違うパターンでした。

広島はプレッシングの局面でWBがセレッソのSBに、CBがセレッソのSHまで出ていく傾向があります。そこでこの試合はセレッソのSHが意図的に低い位置を取って広島のCBを釣りだし、その裏にCFの加藤やIH役の奥埜が走ってくるという場面が非常に多く見られました。これに広島は結構苦労していましたね。5分頃のPK未遂や15分頃の加藤のシュートシーンなど、危ない場面を作られていました。
DHの背後でボールを収めるよりは走る距離の長い前進方法になりますが、ダイレクトにゴールに迫れるのが魅力ですね。

こういう前進方法を取られたので、広島は少し慎重に対応するようになります。具体的にはWB、特に川村が低い位置を取ってロングボールに備えるようになりました。

これで背後を簡単にとられる可能性は下がりますが、その分前線では数的不利となります。ここはシャドーがCBとSBの2人に何とか制限をかけて前進を防ごうとしていましたが、キムジンヒョンのキックの質もあり何度か突破されていました。このあたりはセレッソのビルドアップの質の高さを感じられましたね。

一方で4-3-3可変を活かした中央からのビルドアップはいつもよりも控えめだった印象。この辺は広島が積極的に前に出ていた影響もあるかもしれません。直線的にゴールに迫れるならそうすべきではあるのでしょうが、落ち着ける時間を作れなかったのは後々に響いたと言えるかもしれません。

相手を広げる広島

一方の広島もセレッソのプレスに対してしっかり準備してきた様子が見られました。
セレッソのプレスは2トップとSHの3人で3CBに対してプレスをかけて、WBに対してはSBがスライドして出てくるというやり方です。

これに対して、広島はSHの裏のスペースをうまく使って前進を試みていました。

広島はボールサイドのWBが下がってくる傾向がありますが、それによってセレッソのSHが出てきた裏でボールを受けようとします。そこには本来SBが出てくるのがセレッソのやり方ですが、ここで広島のシャドーが裏に走ったり間で受けようとすることでSBをピン止めする動きが多く見られました。
これによってWBが時間をもらえて前進できていましたね。特に森島はずっとSBを意識した動きを続けており、SBが出て来なければ間で受け、出てくるのであれば裏に走ってサイドの崩しに選択肢を提供し続けていました。

また、WBにパスをつけてからDHやワンツーで上がってきたCBに出して中央に侵入するパターンも多く見られました。これも広島がボール前進でよくやるパターンではありますが、セレッソのプレスに対して長いボールで逃げるだけでなく間を使って剥がすのをサボらなかったのは好印象でした。

お互いにプレス回避の手段は持っていましたが、長いボールに加えてライン間を使った前進も織り交ぜていた広島の方が少しずつ支配率を高めていったという感覚でしょうか。一方で直線的にゴールに迫れる仕組みを取っている分決定機はセレッソの方に多かったという前半だったと思います。

スコアと前半からの積み重ねの合わせ技

後半もどちらかと言えば広島がボールを持つ展開の中、バックパスのミスから加藤のゴールでセレッソが先制。最終ラインから繋ぐ選択をする以上はこの失点が時々起こることは織り込み済みでしょうが、よりによってここで……!という感じでした。

広島はリードされてからもやることを変えず、セレッソのSH裏からの前進を試み続けます。ナッシムのヘッドや川村のヘッドが防がれるなど決定機を作れるようになってきたところでヨニッチの退場も重なり、広島が押し込む展開が決定付けられます。

4-4-1で守るセレッソの守備を崩せずに焦りが見える中、1人冷静だったのが森島。右サイドの底に降りてボールを落ち着かせ、クロスを上げる時間とスペースを確保。これによって単なる放り込みのパワープレーだけでなく、相手を揺さぶってからのクロスになっていました。残り時間の少ない中で淡々とやるべきことをこなしていく姿は非常に頼もしく映りましたね。

最終的には押し込んで得たCKからPK獲得して同点。さらにCKから追加点を挙げた広島が逆転。劇的な形でルヴァンカップ初優勝を成し遂げることになりました。

試合を終えて

広島にとっては嬉しい嬉しいルヴァン初優勝。長年苦労してきた選手、ミスで失点に絡んだ佐々木、先週悔し涙を流した満田川村が報われたというのはもちろん嬉しいのですが、個人的には「相手を動かすことをサボらない」という先週の課題をしっかり乗り越えた内容だったのが嬉しかったですね。今シーズンの広島は突きつけられた課題を乗り越えてそのたびに強くなってきたチームですが、その強さの要因がしっかり発揮された広島らしいゲームだったと思います。常に前から行くという姿勢や強度の高さも含めて、今シーズンの広島を象徴するゲームだったのではないでしょうか。

敗れたセレッソは2年連続の準優勝に。ロングボールによるプレス回避の設計はお見事でしたが、かなり足を使う前進方法だったのが後半に響いたでしょうか。リードして動かされる展開が顕著となったところに数的不利も重なり、最後に耐え切れなくなってしまった印象です。ボールを落ち着かせることができれば違った展開もあったと思いますが、それができる清武が入ってきたところでヨニッチの退場が起きたというのも不運でした。

終始引き締まった好ゲームで、さすがにリーグ戦でも存在感を発揮している両チームという感じでしたね。あと2試合、そして来シーズンもJ1をけん引するライバル同士として切磋琢磨していってほしいと思います。

それではまた次回。

#プレビュー 【2022YBCルヴァンカップ決勝 セレッソ大阪×サンフレッチェ広島】

はしがき

毎度お世話になっております。天皇杯決勝から中5日で開催されるはルヴァンカップの決勝。セレッソ大阪戦のプレビューです。まずは両チームの状況の整理から。

チーム状況の整理

セレッソ大阪

9月に入ってからの戦績はこちら。

天皇杯で広島に負けて以降1か月ほど負けなしでしたが直近のリーグ戦では負傷者が続いたこともあり東京に0-4で完敗。それまでの試合でも優位に進めながら追いつかれての引き分けが目立ち、チーム状況については微妙なところ。リーグ戦では広島と4ポイント差の4位で、わずかにACL出場の可能性も残っています。

サンフレッチェ広島

9月に入ってからの戦績はこちら。

天皇杯決勝のプレビューでチーム状況は決して悪くないと書きましたが、甲府戦の前半は重い立ち上がり。掴みかけた栄光を逃すショッキングな敗北から6日での決勝となり、チームが雰囲気を立て直せているかは正直怪しいように思います。
明るい材料としては今季セレッソとの対戦が3戦3勝であること。内容で勝っていたかというとそうでもないですが、良いイメージは持ちやすいかもしれません。

予想スタメン

セレッソは4-4-2、広島は3-4-2-1の予想です。

セレッソは前節奥埜が不在で鈴木が早い段階で交替とDHに負傷者続き。この試合も間に合うかどうかはちょっと分かりません。また、トップには加藤やブルーノメンデスもコンスタントに出場しており誰が出てくるか読めないところです。
一方でサイドの4人は鉄板に近く、出られる時にはほとんど変えていない印象。山中は前節負傷交代でしたが、間に合えば間違いなく出てくる選手でしょう。

一方の広島は天皇杯決勝からドウグラス→ナッシムの変更で予想。ドウグラスは負傷の報道があるようですね。また、エゼキエウも間に合わないだろうということで、ベンチには柴崎が入るか浅野が入るか、という感じでしょうか。
ただショックの大きい敗戦から間もないということで、練習での様子によっては変えてくる可能性もあります。こちらも若干読みにくくなっていますね。

展望

保持のカードが多いセレッソ

基本的にはセレッソはボールを持ちたいチーム。ここ数試合で見られるのが保持時4-3-3への可変でボール前進するパターンです。

2トップの一角である上門が中盤まで降り、IHのように振舞うパターンですね。鈴木と奥埜の2DHは鈴木がアンカーのように振舞うことが多いですが、ここは逆になることもありそうです。
セレッソは中盤を介した保持でSBを高い位置まで押し上げながら相手のプレスを外し、SBから早いクロスを入れるのがセレッソの最も強い攻撃パターン。今季広島から奪った2得点はいずれも左サイドの速いクロスからでした。このパターンを数多く作り出すのがセレッソの狙いとなるでしょう。

広島は保持時4バックのチームに対しては1トップが下がって中盤を捕まえ、2シャドーがCBにプレッシャーをかけるという形で今シーズンは固まっています。セレッソが4-4-2でも4-3-3でもそんなにやることは変わらないですが、役割を入れ替えられるセレッソの中盤3枚に対してどのようにマークを受け渡していくかは問われることになりそうです。
また、これまで散々狙われてきた広島のDHの背後も当然狙われるでしょう。というか蓋を開けたらセレッソがガチガチの4-4-2でDHの背後を集中砲火してくる、なんていう展開もあり得ます。広島としては前に出る意識は忘れないようにしつつ、相手の出方を早めに把握することが求められます。

逃げ場所をどこに見つけるか?

一方、広島がボールを持った場合はセレッソが積極的にプレッシャーをかけてくることが考えられます。これまでの対戦でもそうでしたし、セレッソはここ数試合も相手によらず高い位置からプレッシャーを仕掛けていく傾向があります。

セレッソは対3バックのプレスではSHとSBを高い位置まで上げて最終ラインまでプレッシャーをかけてくることが多いです。こういう場合は相手のSBの裏に長いボールを蹴って裏返すのが広島の常套手段ですが、セレッソの場合はCBがしっかりスライドしてこのスペースを埋めます。特に右CBのヨニッチは対人が強く、ここを剥がして裏を取るのは難しいところ。ジェジエウに裏抜けを潰され続けた川崎戦の二の舞になりかねません。
そこで活用したいのが中盤の数的優位。SHが前に出てCBがサイドまで出張となれば、シャドーとDHのうち誰かは空いてくるはずです。セレッソは湘南戦でもここを湘南の3センターに使われて中央からの前進を許していました。広島は中盤に4人いるわけですからここに勇気をもって縦パスを通し、チャンスに結び付けたいところ。
甲府戦では中央にほとんど侵入できずブロックの攻略に苦労しましたが、突きつけられた宿題に対する回答を持っているかを試されることになります。

試合に向けて

広島は甲府戦で低調な立ち上がりを見せ、守備ブロックの攻略に時間がかかりPK戦で敗北することとなりました。やはり甲府の守備に対して動かす努力を忘れてしまったのが苦しかった。今シーズンの広島に何度か見られた現象ですが、前半に自分たちのすべきことを忘れてしまいハーフタイムの修正から巻き返すという展開でした。
もちろんそれで巻き返せる試合もありましたが、カップファイナルでは序盤の劣勢が命取りになることは十分にあり得ますし、そのことを先週身をもって知ったはずです。
今週の決勝では序盤から自分たちのやるべきことにしっかりフォーカスした試合を見たいと思います。
保持では幅、奥行き、ライン間を使い分けて相手を揺さぶること、非保持では相手の配置を見ながら積極的にプレッシャーをかけていくこと。自分たちのやるべきことを果たしていったならば、その先にタイトルが見えるはずです。

それではまた次回。

#レビュー 【2022天皇杯決勝 ヴァンフォーレ甲府×サンフレッチェ広島】

はしがき

毎度お世話になっております。天皇杯決勝、甲府戦のレビューです。いろいろなドラマのある試合でしたが、お互いの狙い的にはどうだったのか見ていきたいと思います。

ちなみにプレビューはこちらです。

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で、スタメンは以下。

お互いに3-4-2-1でのスタート。甲府は4-3-3もできるという話はプレビューでやりましたが、やはりここ数試合でやっている3-4-2-1できましたね。
メンバーとしては甲府は報道通り宮崎がケガでベンチ外、代わりには鳥海が入りました。広島は1トップにナッシムを予想していましたが、普通に間に合ったようでドウグラスが入りました。

広島の予習をしてきた甲府

さて、甲府はボール保持に特徴のあるチームという話でしたが、序盤は広島のプレスを受けながらも長いボールを織り交ぜながら果敢にボールをつないでくる姿が見られました。特に起点となっていたのはやはり広島のDHの背後です。

甲府の保持で懸念していた「須貝を誰が見るか問題」については満田がしっかりスライドしてついて行っており、そこまで大きくズレを作られることはなかったように思います。
一方でここまでの広島にとって共通の課題であるDHの背後を狙われる点については甲府もしっかり予習済み。1トップの三平が裏へ抜ける動きで荒木を引っ張り、その下にシャドーの長谷川と鳥海が入ってくる場面が多く見られました。逆に三平が下がって収め、長谷川鳥海が裏抜けするパターンもあり。この3人が背後とライン間をうまく使い分けることで広島の最終ラインが対応しにくい状況を作っていました。
また、この日は野津田が強度負けする場面が目立ち、対面のDHへのプレスが遅れて背後のスペースに縦パスを刺されたり、サイドまで出ていったのに潰せきれずそのまま中央を横断されるなど、らしくない場面が多く見られました。

ピッチを広く使う甲府の保持に苦しんだ広島は26分にCKから失点。ここは一回目のCKなだけにデザインプレーはもっと警戒したかったですね。今期たびたび見せているナイーブな一面が出てしまいました。

いつもの姿を思い出せない広島

一方で広島のボール保持についてですが、リーグ戦の最近数試合を見た感じでは甲府はボール非保持時に撤退を優先する傾向が強く、広島はボールを保持して進められるだろうと考えていました。

しかし蓋を開けてみれば甲府はしっかりプレッシャーをかけて広島のビルドアップを制限し、広島は前半30分を過ぎるまでシュートも打てない展開となりました。もっともこれには広島のボール前進が機能不全に陥っていたというのも要因だと感じました。

広島はCBがボールを持った時にWBが下がってきて近寄ることでサイドの高い位置にスペースを作り、そこにシャドーやWBが出てきて崩すという方法をよくやるんですが、この日は前半30分過ぎまでCB→WB→シャドーという大外からのボール前進がほとんど見られませんでした。
中央で待っているシャドーに縦パスを入れて失う、ドウグラスに長いボールを入れて失う、という場面が目立ちましたね。かろうじてCBから背後への長いボールが何回かあったくらいでした。

この辺りは決勝ということで安全に行きたいという意識はあったのだと思います。ここ数戦絶好調だったドウグラスが前線にいたので彼にボールを収めてもらって安全に時間を作ろうという狙いだったのかもしれませんが、さすがにそればかりでは潰されてしまいます。

サイドからの前進で相手を動かすという手段を見せてこそドウグラスへの長いボールも生きるわけで、相手を動かそうとするまでに30分以上かかったのはこの試合の最大の反省点と言えるでしょう。

逆にサイドで奥行きを作って相手を動かせるようになってからは、40分の川村のクロスなど良い場面を作れていました。自分たちのやってきたことをしっかり出せれば十分得点の可能性があることを感じられる前半ラスト10分だったと思います。

40分、川村のクロス

カオスを生むエゼキエウと調整役のナッシム

後半に入ってからは1枚カードをもらっていた森島と今一つ持ち味を出せなかったドウグラスに替わり、エゼキエウとナッシムを投入。
サイドの奥行きを作りづらくなっていた前半だったので、サイドに流れて起点を作れるナッシムの投入は納得できますね。また、エゼキエウは自由に2列目を動き回るので、それに合わせて立ち位置を調整できるという点でもナッシムは適任だったと思います。

森島と比較すると自由に動くエゼキエウは制御しにくいところもあるのですが、ナッシムの存在でなんとかバランスを取りながら前に進めていたと思います。
終盤には松本、野上、ピエロスも投入して圧力を強め、85分に左サイドでエゼキエウと川村の連携からゴールをこじ開けました。甲府の5-4-1が堅い中で動かし続け、よく同点に持っていったと思います。

試合の終わりに、次のファイナルに寄せて

しかし同点ゴールのシーンでエゼキエウが負傷。満身創痍の広島は延長ではジェラを投入して塩谷をトップに置く苦肉の策に。それでも押し込めましたが満田のPKなどチャンスを活かせず、もつれこんだPK戦では残念ながら川村が貧乏くじを引くことになってしまいました。

PKを外してしまった満田や川村、止められなかった大迫を責める道理は一つもありません。誰もが言っていることですが、彼らがいなければ決勝に来られていないのですから。この程度で信頼が揺らごうはずがないのです。

この試合で最も悔やむべきは保持で自分たちのやってきたことを忘れてしまったことでしょう。常に相手の背後にチャンスがある、そのことを忘れたまま35分間過ごしたのがこの試合の敗着だったのではないでしょうか。

普通であればタイトルをとってこの悔しさを晴らすには年単位の時間が必要なのですが、今年は幸運にも今週の土曜日にその機会があります。
相手のセレッソは今年3回勝った相手。だからといって楽な相手ではないことは誰もが知っていますが、同時にこれまでの対戦で経験したことが助けてくれるはずです。セレッソはどうやって前進してくるのか、どうやってプレスをかけてくるのか、それをどうやって跳ねのけたのか。それを活かした試合が見られることを期待したいと思います。

それではまた次回。

#プレビュー【2022天皇杯決勝 ヴァンフォーレ甲府×サンフレッチェ広島】

はしがき

平素は大変お世話になっております。来る10/16は甲府との天皇杯勝戦

本来はリーグ戦だけレビュー書ければ十分と思っていたのですが、今年の広島はルヴァンと天皇杯の両方でファイナリストのお祭り騒ぎ。
日程に余裕もありますし、せっかくのファイナルですので、いつもはやらないプレビューを書いてみようと思います。まずは両チームの状況の整理から。

チーム状況の確認

ヴァンフォーレ甲府

9月に入ってからの対戦成績がこちら。

J2リーグ戦は泥沼の7連敗中で22チーム中18位。新潟、横浜FC、岡山という上位3チームとの対戦があったことを差し引いてもかなり苦しんでいる状況と言えるでしょう。一応残留は決まっているものの、今シーズン一時は降格の危機が騒がれた大宮と同じ勝ち点と言えばその苦境が伝わるでしょうか。

そんな中で燦然と輝くのが天皇杯で挙げた2つの勝利。福岡、鹿島だけでなく3回戦で札幌、4回戦で鳥栖と実にJ1クラブを4つも破って決勝までたどり着いています。組み合わせに恵まれてここまで来たわけではないことは明白ですね。

 

サンフレッチェ広島

9月に入ってからの対戦成績がこちら。

J1リーグ戦は上と6ポイント、下と4ポイント離れた3位。残り2試合なので3位フィニッシュの可能性は高いです。また、ご存じの通りルヴァンと天皇杯でも決勝に残っています。

リーグでは2度の大敗を喫していますがいずれも過密日程の最終戦でメンバーを大幅に入れ替えていた試合であり、その分ミッドウィークの天皇杯は勝ち残ることができています。現状のスカッドと日程を鑑みて最大限の結果を出すことに成功しているのではないでしょうか。

予想スタメン

直近の試合を見ての予想スタメンはこんな感じです。

お互いに3-4-2-1でのスタートを予想しました。甲府は9月に4-3-3で数試合戦ったものの結果が出ず、直近の岡山戦では3-4-2-1に戻しています。多分天皇杯の鹿島戦も3-4-2-1だったはず。3-4-2-1をベースに戦ってきたこともあり、こちらで来ることになるでしょう。
メンバーとしてはFW宮崎に負傷の報道があり決勝への出場が微妙とのこと。左シャドーに入ることの多い選手ですが、代わりに出てきそうなのは福岡戦で決勝点を挙げた鳥海かなーと思います。

一方の広島はいつものメンバーを予想。流動的な右WBには攻守にバランスの取れる茶島、1トップはドウグラス天皇杯準決勝で負傷交代しているのでナッシムを予想しました。
おそらく配置を変えたりといった奇襲もないでしょう。今シーズンここまで戦ってきたメンバーで正面から戦うことを選択するはず。佐々木、柏、野津田にとっては古巣対戦で、モチベーションも上がりそうですね。

展望

ハイクオリティな保持が特徴の甲府

甲府のここ数試合を見た中で、まず印象に残ったのがボール保持のクオリティ。最終ラインからのビルドアップによる前進を志向し、シャドーとWBで大外とハーフスペースを的確に使い分けた崩しが得意です。

保持時には右CBの須貝を高い位置まで上げてくるのが特徴で、両CBを上げた4-4-2みたいになります。広島としてはここを誰が捕まえるのかははっきりさせておきたいところ。
普通に考えるとミラーゲームなので左のシャドーが捕まえることになりますが、4バックにおけるSBみたいなものだと考えると左のWBが前に出ていくパターンも考えられます。甲府は4-3-3で来る可能性もあるので、その場合も考えると須貝にはWBを当てるパターンの方がややこしくなくていいかもしれません。しかしその場合更に高い位置を取ってくるWBはどうするのか?シャドーは?といった問題点も出てきます。

広島は今シーズン通して3バックで保持してくる相手に対して対応に苦しんでいるところがあり、この試合でもおそらく難しい対応を強いられるでしょう。とりあえず右CBの須貝を誰が見るのかは注目しておきたいところです。

また、保持して押し込んだ後はシャドーとWBがレーンを使い分けながら崩しに来ます。ここで特徴を出していたのが宮崎で、左サイドでハーフスペースを裏抜けしても良し、大外に開いて突破しても良しと甲府の崩しにおけるキーマンとなっていました。その宮崎が欠場となると崩しの部分で別のオプションを用意しなければいけないわけで……ここはどうしてくるか見ものです。

ちなみに、甲府は4-3-3だったとしてもそんなにやることは変わりません。中盤が荒木山田石川の3枚になるのでその数的優位を使ったビルドアップが増える感じでしょうか。須貝がはっきりと右SBにり、宮崎はWGですがタスクとしてはほとんど同じ。どちらの並びで来るかをスタメンから読むことも難しいと思います。

プレスより撤退優先、押し込んで試合を進めたい

甲府は非保持時に高い位置からプレッシャーをかけることはあまりなく、まずは自陣への撤退を優先していました。撤退時は 5-4-1で守り、奪ったら自陣から繋いで丁寧に前進を試みます。長いボールを使うのはその後、という感じですね。
相手にボールを持たれたらまず撤退して埋めるのが基本方針のチームなので、格上相手だとその時間も多くなります。天皇杯ではカウンター一発で勝ってきたような書かれ方もされていますが、単に撤退する時間が多かっただけでチームとしての方針はあまり変わっていないんじゃないかと思います。

広島にとって戦いやすいポイントは恐らくこの点になるでしょう。甲府は広島のビルドアップを阻害しに来ないと考えられるので、おそらく敵陣まではスムーズにボールを運べます。5‐4‐1を崩すのは難しいですが、ボールを失っても敵陣ですぐに取り返すことができれば敵陣に押し込み続けるという広島の得意な展開に持ち込めます。トランジションで勝って押し込み続けることで、いずれはチャンスが来るのではないでしょうか。

逆に甲府に保持されてプレスを回避されるという展開が続いた場合、決定機を何度か作られる可能性は高いです。いかに甲府が落ち着いてボールを持つ時間を削れるか、90分のうちどれだけを敵陣で過ごせるか、そのあたりがキーポイントになるでしょう。

試合に向けて

甲府のボール保持は非常にクオリティが高く、新潟や横浜FCを相手にしても見劣りしないレベルでした。一方で直近のリーグ戦ではカウンターやクロスからあっさり失点して負けている試合も多く、保持型チーム特有の脆さも感じさせます。
広島としては高い位置からのプレスや押し込んでのクロスからの崩しといった強みを出すのはもちろんですが、常にシンプルにゴールを目指すという姿勢も忘れないでほしいと思います。
甲府は難しい相手ですが、これまでにも難しい相手と闘ってきて、そこで勝ってきたからこそ今の好成績があります。これまでの道筋を信じてプレーすれば全く問題ないと思います。

それでは試合を楽しみに。

#32 【2022J1第32節 ヴィッセル神戸×サンフレッチェ広島】

はしがき

毎度お世話になっております。今回は神戸戦ですね。広島は天皇杯の激闘から中2日の厳しい日程。神戸はリーグ戦3連勝中と好調で、残留を確実にするためにも3ポイントが欲しいところです。スタメンは以下。

広島は中2日ということでスタメン総取っ替え。流石に120分やった後中2日は厳しいというところでしょう。一方の神戸は前節からの変更は飯倉→前川のみ。勝っているチームなので変える必要もないという判断でしょうか。大崎のアンカー起用って前からやってたっけな?というあたりが気になるところです。

3センターの守り方は

試合に関しては皆さまご存じの通り開始3分に今津が前川に足裏を入れてしまうファウルで一発退場。まあ事故だとは思いますが退場で妥当なプレーという感じでした。

そういうわけでいきなり10人になってしまった広島。しばらくは浅野と藤井を下げた4バックで対応していましたが、柴崎に替えて佐々木を投入して5‐3‐1に。先月の清水戦でもそうでしたが、広島は退場者が出た際には5バックを継続する選択をするように決まっているみたいですね。

前半は20分頃にセットプレーから失点したものの、3センターが粘り強くスライドして守り、ソティリウとエゼキエウのキープ力を生かして神戸ゴール前に迫るシーンも何度かありました。

しかし時間が経つにつれて神戸が両SBのところでボールを落ち着けながら広島の3センターを動かす回数が増え、徐々にスライドが間に合わないことが増えていきます。そんな中で51分に藤井が前に出たところの裏を使われる形で失点。さらに立て続けに2点を失い、この時点でほとんどゲームオーバーとなってしまいました。

広島としては3センターが疲弊してスライドが間に合わなくなるのは仕方ないにしても、そこでWBが出ていったときに全体がスライドできるようにはしたかったとは感じました。失点シーンでは塩谷がサイドに出て行って住吉との間が空いたところを使われてしまいましたね。ここで全体をスライドできていなかったのは少し気になりました。

まあ一人退場しているこの試合でそこまで求めるのは難しいと思いますが、全体がスライドしないというこの課題については忘れたころに狙われて失点につながるイメージがあるので。ここからタイトルのかかった試合をやる上では引いて守らないといけない局面もあると思いますので、狙われるかもなと思いました。

次節に向けて

神戸は数的優位をしっかりと活かす快勝で残留に向けて大きな3ポイント。3試合を残して降格圏と5ポイント差ということで、油断はできませんがかなりいけそうな感じになってきました。このまま勢いを保って残留を決めたいところですね。

一方の広島は厳しい結果となりました。ここ数年は退場者が出た試合も粘って勝ち点を取れていましたが、さすがに今回は厳しかったですね。まあ早く忘れて決勝に向けて切り替えることが大事だと思います。さすがに不運だったのでしっかり切り替えてほしいというくらいしか言うことがないですね。
決勝ではいつも通りのアグレッシブなサッカーが見られると思いますので、期待して待ちたいと思います。

それではまた次回。