#30 【2024J1第31節 サンフレッチェ広島×横浜FM】

はしがき

毎度お世話になってます!今回はマリノス戦。広島はACL2の初戦にメンバーを入れ替えて臨んだため休養十分。アウェイでの雪辱をかけてマリノスをホームに迎えました。

なお、例によってこの試合もTwitterにまとめを記載してます。時間のない人はこちらをどうぞ。

 

ということでスタメンは以下。

広島はマリノスのサイド攻撃を警戒してか塩谷をCB、中野をWBに起用。DHに松本を降ろし、トルガイをシャドーに起用した。
マリノスはエウベルと西村が出場停止で喜田も不在。替わって井上と山根、天野がスタメンに名前を連ねた。

レイオフと入れ替わりで前進するマリノス

試合は開始早々に広島が先制したが、マリノスがボールを保持して試合を進めたのはスコアとは無関係だろう。当然のようにハイプレスを仕掛けていく広島に対して、マリノスは最終ラインからのビルドアップでプレスを外そうと試みていく。

マリノスはトップのロペスが降りてくることで川辺や松本にマークを受け渡すかの選択を迫ったり、サイドバックの永戸が内側を上がっていくなど広島の中盤にスペースを作る動きを多く取り入れていた。
また、プレスがハマっているように見えても渡辺や天野が一瞬フリーになってボールを受け、その隙に畠中やエドゥアルドが広島のトップを外してリターンを受けるなど、マンツーマンの外し方はお手の物という振る舞いを見せていた。

広島としてはマークの受け渡しで対応しようとするとどこかにフリーを作られてしまうが、どこまでもマンツーでついていくと荒木が外された2失点目のように空いたスペースを使われて突破されてしまうということで、難しい対応を強いられていた。

明確だった広島の脱出先

一方、広島がボールを持った場合はチームとして狙いどころが明確に定まっていた。試合を見ていた方には言うまでもないことだが、マリノスのSBの背後である。

広島はボール保持時にシャドーをサイドに流してSBをピン留めし、WBをフリーにするという手をよく使う。しかしこの試合ではマリノスのSBが積極的に前に出てくるため、むしろWBを使ってSBを引き出し、その背後にシャドーを走らせるという展開が多発していた。
前述のようにマリノスのSBは保持時にも高い位置まで進出してくるのでその背後は空きやすく、保持時もカウンター時も狙いどころとして成立していた。

また、マリノスはこの位置に出てくるシャドーに対して中盤のカバーが間に合わずに最終ラインの3人で対応することになっていたため、マイナス方向や大外がフリーになりやすく、そこで合わせることで3点目、5点目を取ることができた。敵陣への侵入方法だけでなく、そこからのフィニッシュワークも設計されていたのは素晴らしい。アタッカー陣のクオリティの高さはもちろんだが、それを活かせる設計がきちんとされていたからこその大量得点だろう。

プレスに一工夫でビルドアップ封殺

前半の終盤からマリノスのSBは内側に入っての攻撃参加が少なくなっていたが、後半に入って広島が少しプレスのやり方を変えたことでそれに拍車がかかったように見えた。

WBがSBにぴったり付くのではなく内側にポジションを取ることで中盤に数的優位を確保しつつ、SBが内側に入ってくるのをけん制。大外のSBにパスが出たら寄せていくことでパスコースを大外に限定することができる。大外に限定していればCBもWGにアタックしやすくなるので、この形でボールを回収することができていた。
後半から入った新井は特にこうした追い方を意識していたように思う。東と新井という中盤でもプレーできる選手をWBに起用しているからこその方法で、攻撃時のポジションチェンジ以外にも活用方法があることには驚かされた。

雑感・次節に向けて

広島は大量得点で自信につながる勝利。個人的には広島と保持型チームであるマリノスの相性は悪いと考えており、勝つにはプレスをかけ続けるかボール保持で相手の攻撃時間を削ぐかしかなく、正直分が悪いと思っていた。そういう展望だったので、この試合のSBの背後からカウンターを仕掛けて点を取るという戦略がハマったのはかなり驚いた。
カウンターを仕掛けられるスペースをスカウティングで見つけること、それを完結させられる設計とクオリティあってのことで、戦い方の手札がまた一つ増えたと言える。
次節の町田戦は言うまでもなく超重要な試合だが、手札の多さを活かした柔軟なゲームを期待したい。

マリノスはACLEに引き続いての大量失点となってしまった。前半にプレスを外して斬り合いをしているうちは互角の戦いだったが、時間とともにSBや中盤のポジションチェンジが少なくなり、カウンターを受けた際の脆さが出てくる展開となった。うまくボールを持てない時に調整役となれる喜田や天野に西村、理不尽で点を取れるエウベルや宮市の不在が響いた形かもしれない。これらの役割を担う選手が出てくるかどうかが重要な変革期のチームという印象だった。

それではまた次回。