はしがき
毎度お世話になってます!FC東京戦を飛ばしてしまいルヴァンの福岡戦1st legも終わってしまいましたが川崎戦やっておこうと思います。前半戦ラストかつ中断期間前ラストの試合ですね。スタメンは以下。

広島は前節から前田→ジェルマンの1人変更で、ジャメに前を向いてプレーさせたいのかジェルマンの1トップを選択。川崎も前節から小林→山田の変更のみ。両チームともチーム状況の良さを感じさせるメンバー選択となった。
陣形ずらしに苦しむ広島
立ち上がりから川崎の非保持でのスタンスは明確で、まずは4-4-2の形を維持して対応すること。という訳で広島の3バックは放置されることも多かったのだが、広島はその状況から陣形をずらすのに苦労している様子があった。

15:20のシーンでは、低い位置に降りて行った新井に対して家長がプレスに出てきて川崎の全体がスライドしてきている。ここでは川崎のSBを引き出せずに前進ルートを見いだせなかったのだが、川崎はこのシーンのように簡単にはプレスに出て行かずに広島を自陣に誘い込んで奪うという方針だった。
広島は相手のSBなりWBなりを誘い出してその背後を使うという攻撃を好んでいるが、この日の川崎のように構えることを優先されるとスペースが空かずにジリ貧になりやすいというのは今シーズン何度か見られた展開だ。特に左サイドはWBを低い位置に下ろすという動きを多用するので、そこに相手がついて来なかった場合は苦しい展開を強いられる。
一方、右サイドはWBを高い位置に上げることもあり、こちらは可能性を感じる場面もあった。

05:37のシーンでは高い位置を取った中野に対して荒木からミドルパスが通り、ジャメと中野で佐々木に対して瞬間的に2vs1を作れそうになっていた。これ以外にも高い位置の中野にミドルパスが通るとシャドーのジャメのフォローもあってサイドの高い位置に侵入できそうな場面が何度かあり、前半の中では可能性を感じる形だった。
ただ、佐々木も中野をドフリーにしているわけではないので、間に合わせるためにどうしても中野へのパスは強いものになってしまい、コントロールが難しくなっていた印象がある。CBが運んだりDHが相手をずらしたりといった作業でフォローし、よりコントロールしやすいパスをつけられる状況を作りたいところだった。
やや慎重なプレスの広島
一方の広島もいつも通りプレスには出て行くものの、やや慎重な振る舞いが目についた。

主にマルシーニョへの対応がそれで、従来なら相手のSBに中野を出してWGには塩谷で対応するところ、この日は中野が下がり目に対応してSBの佐々木はジャメが対応する形になることも多かった。マルシーニョの裏一発で塩谷が置いて行かれることを警戒した対応であることは分かるのだが、これによって前線が数的不利となりジャメとジェルマンで川崎の両CBと佐々木、さらには山口を監視することになり負担が増大。降りてくる脇坂への対応の難しさなどもあり、前線でボールを奪うシーンはなかなか作れなかった。
先述したビルドアップの難しさに加えて、1トップのジェルマンは背負うプレーがあまり得意ではなく、徐々にカウンターでも潰される場面が増えていく。結果的に前半の30分以降は自陣に押し込まれる時間が続くことになった。
とはいえプレスを慎重なものにしたことで、自陣にしっかり構える場面を増やせていたという側面もある。押し込まれていたとはいえ危険だったのはクロスに家長が合わせたシーンくらいで、今季の広島の守備の堅さを感じる展開だった。
呼吸できる場所を見つけていく広島
後半の広島はジェルマンを下げて中村を投入、ジャメをトップに戻す。さらに60分には加藤に代えて前田が入ったが、交代で入ってきた2人はビルドアップでどこに顔を出せばよいか共有されている印象を受けた。

川崎のDHの脇がその場所に当たる。後半の広島はDHの川辺と東がより低い位置で3バックのサポートに入るようになった印象があり、これで相手のDHを釣り出しておいてその脇をシャドーで使うというのが狙いだったと思われる。特に右サイドはCBの丸山が迎撃に出て来なくて前田やジャメがフリーでボールを引き出せている場面が何度かあった。
これでボール前進がしやすくなった広島は、ビハインドという状況もあり敵陣で試合を進められるようになっていく。さらに終盤には東に代えてマルコスを投入したが、恐らくDHの位置に選手を落とす動きも加えつつライン間での動きを捕まえにくくするという狙いもあったのだろう。
終盤にはセットプレー崩れから追いついた広島だったが、バランスを崩していたこともありオープンな展開から与えたセットプレーで決勝点を奪われて敗れることになった。
雑感・試合を終えて
慎重な入りが押し込まれる展開に繋がった前半から後半でよく巻き直したと思うが、残念ながらスコアがついて来ない試合となった。結果自体は時の運というかディテールの部分によるもので、まあ具体的には大迫がミスする日を引いてしまったという感じだろうか。とはいえ年に1~2回のことだろうしそういう日もあるさで済む話かなと思う。
展開としては連敗時と同様に相手に引かれると前に進めなくなるというのが心配なところ。後半になってDHの脇から進めるようになったというのは修正としては見事なのだが、出来ればピッチ内で前半からこういった整理をできるようにしたい。相手の配置によってどこでボールを引き出せるかという知見もたまってきていると思うので、引いてくる相手に対してボールを引き出すための駆け引きを序盤から見たいところだ。
こうしたヒントを前半のうちにつかめていれば、前線のユニットの交代枚数を抑えて最後までバランスを崩さないという選択もあったかもしれない。木下の獲得によって押し込んだ後のフィニッシュワークの改善は大いに期待できるが、そこまでどう持っていくかは依然として課題なので、そこに対するアプローチを期待したいところだ。
それではまた次回。