【#5 2020 J1第10節 川崎フロンターレ×サンフレッチェ広島】

はじめに

どうも!川崎戦の振り返りです。戦前は全く勝てる気のしないゲームでしたがなかなかどうしてという感じでした。
スタメンは以下の通り。

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川崎は433でスタート、広島は442でした。同じ配置の横浜FCに対してうまくやれていたので433でくるかなーと思ったんですが外れでした。

中盤の数的不利

さて、この試合は442と433の対決なので、当然ミスマッチが生じます。

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広島の2CHに対して川崎は3センターなので、中盤で数的優位を作ることができます。その分広島は川崎の4バックに対して同数を作れるので、そこを起点に川崎のビルドアップを阻害したいところでしたが、この試合ではそうはいきませんでした。

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広島はサントスや浅野がアンカーへのコースを切りながらCBに寄せていくのですが、SBに繋がれて角度をつけられてずらされることが多くありました。2トップの寄せでCBとアンカーを同時に消せないとシンプルに中盤の数的不利を活かされてしまうんですよねー。横浜FC戦ではエゼキエウが1人でSBとCBを消せていたのでうまくビルドアップを阻害できていましたが、この試合はそれができず好き放題されていました。特に青山は田中と脇坂の2人を担当する形になり、当然カバーしきれず疲弊しているように思えました。

また、この並びではSBが引き出されてSBCB間に走られた場合は青山やハイネルがカバーすることになるのでそれもこなさねばならず、タスク過多に陥っていました、

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また、ただでさえ数的優位なのに加えて川崎の方はポジションチェンジを混ぜてくるので、そこへの対応も難しいものを強いられていました。前半7分のシーンは内に絞ってくる家長に東がついて行き、青山がポジションをキープしたため脇坂にフリーで抜けだされました。こういったポジションチェンジは対応する側がついていくかポジションをキープするかを瞬時に選択し、しかもそれがそろわないと誰かがフリーになってしまうので非常に難しいですね。

こんな具合で広島の442はプレッシングをしてもリトリートをしてもかなり苦しい状況を強いられていました。前からプレッシャーをかけるという選択自体は良かったと思うんですけど、(撤退してもおそらく守り切れないので緩やかに死ぬだけになってしまいますからね)横浜FC戦を踏襲して433でも良かったんじゃないかなーと思いました。まあ川辺がいないという事情はあったのかもしれませんが……

442であることのメリット

川辺がいないということ以外に442である理由を上げるとするならば、やはりロングカウンターのかけやすさでしょう。川崎はSBも積極的に攻撃に参加してくるので、アタッカーをその裏に走らせることが狙いになります。442だと前に2人残せるので、1人をサイドの裏に走らせてももう1人を中央に残してフィニッシュに備えさせることができます。まあ守るときは浅野が下がって451みたいになることも多かったのでこの通りにいってないことも多かったですが……
ただ、同点弾はサイドにサントスを走らせたところからだったのでまるでダメというわけでもなかったと思います。

また、交替で入ったエゼキエウ、柴崎、鮎川らが効果的にカウンターの起点になれていたのも442というベーシックな並びだったからなのかなーと思ったり。やっぱりボール非保持時にどうふるまうかは442のほうが整備されてるのかなーとは思いましたね。

魂のこもったゲーム

sporteria.jp

この試合のゴール期待値は1.99 vs 0.43。まあ普通に考えれば負けが妥当な内容だったと思いますが、ワンチャンスを活かして見事1ポイントをもぎ取ってみせました。先述のように構造的な面では川崎にぶん殴られていた試合だったかと思いますが、それでも1失点で済んだのは最後に選手たちがゴール前で体を張ったからこそ。特に今津と荒木の守備での粘りは素晴らしいものがありました。

前半あれだけボコボコにやられて失点していたにもかかわらず、選手たちが心折れることなく走り続けられたのが城福さんの手腕だったのかもしれません。
この試合を「内容では負けてたけどラッキーだったねー」の一言で済ませるのは僕はできないかなと。改善点は多々ありますが、魂のこもった試合にまずは拍手を送りたいと思ったゲームでした。

それではまた次回。