#7 【2021J1第13節 サガン鳥栖×サンフレッチェ広島】

はじめに

さて鳥栖戦でございます。前節の神戸戦はなかなかきつい負け方をしたわけですが、どこまで修正できたでしょうか。相手は難敵、3位のサガン鳥栖でございます。スタメンは以下。

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広島はいつも通りの4-4-2。鳥栖は3-1-4-2できました。4-4-2で前から追いかける分には噛み合わせの悪い配置ですが、広島はどのように対応したでしょうか。

鳥栖の2+2と背中で消す動き

 

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鳥栖は左CBの中野を高い位置に上げて2CBにし、アンカーの松岡とIHの仙頭の4人でビルドアップを行っていました。しかし、この2+2のような配置によって鮎川と浅野の2トップがプレスをかけやすくなりました。中盤の2人を消しながらCBに寄せていくことで鮎川と浅野の2人で鳥栖のビルドアップ隊4人を止めることができます。これにより中野と飯野にボールが出ても広島はSHがプレッシングをかけられるため鳥栖はボールの出しどころがなく、最終的にはロングボールを蹴らせて強さで勝るCBのところで回収できていました。
この形で推移している間は鳥栖にクリーンな前進を許さず、逆にミスを引っ掛けて鮎川が決定機を迎えたり森島のFKがポストに当たったりと得点の匂いを感じさせるシーンが続きましたね。広島が勝つためにはこの時間帯で1点取っておきたかったところです。

鳥栖の修正、3142の威力

さて、鳥栖は15分頃からビルドアップの形に変化を加えます。小さな変化でしたが、広島のプレッシングに与えた影響はかなり大きかったように思いました。

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仙頭が最終ラインに降りることで後方の4人が3+1に変化。3-1-4-2の元々の並びに回帰したような形になります。こうなると広島の2トップではやや止めづらいですね。もちろん一人がアンカーへのパスコースを切り、もう一人が中央のCBを切りながら寄せるとかできないことはありませんが、どうしても運動量が多くなります。

この試合でも広島の2トップで3+1を止めようとはせず、SHがヘルプにやってきます。そうなると鳥栖のWBが空くのでそこに出せる、野上が出ていけば中央のIHが流れてくるという形になっていました。小屋松がもともとサイドにいたのに一度わざわざ中に入ってきていたのはこうしてSBが空けたスペースに流れて使うためなのでしょうかね。

広島としてはSHがWBへのパスコースを切って何とかこの前進を食い止めたいところでしたが、なかなかそこまで意思統一するのは難しかったですね。左サイドの森島は出ていくときには外を切りながら、WBに通されたら頑張って二度追いするというようにSBの東が釣り出されないように気を使っているように見えましたが、右サイドはエゼキエウがうまくコースを制限できず鳥栖の思惑通りに前進されていたなと思います。

もっともエゼキエウのせいというよりはここがきちんとチームとして仕込めているかどうかの差なのではないかなーと思います。エゼキエウは背中で相手のコース消しながらプレッシングとかはできる選手だと思うので。

プレスをかけては外されて守備に追われ、エゼキエウはだんだんフラストレーションを溜めているのが見て取れましたが、無理もないだろうといったところです。

SHのポジショニングについて

あと気になったのは広島がブロックを作った時のSHのポジショニングについてです。ボールと同じサイドにいるSHがWBに対応するために最終ライン近くまで下がっていくのは分かるのですが、ボールと逆サイドにいるSHもWBについて下がっていく場面が多く見られました。特に後半になってSHに入った浅野はそんな感じでしたね。

442でのブロックの作り方としては、自陣深くまでボールを運ばれない限りはボールと逆サイドのSHは攻撃にも守備にも出て行ける中途半端な位置取りをしてほしいところです。2トップだけではカウンターに出ていくのは難しいと思いますので、SHがサポートする形を作れるようになっていってほしいなと思います。

ということで今回は以上。過密日程だからね。

それではまた次回。