#06 克己 【J1第15節 サンフレッチェ広島×湘南ベルマーレ】

はしがき

えーどうもお久しぶりです。毎試合やるとか言っておいてすぐにさぼりだしてしまいました。まあライフイベントというやつの関係でできなかったという事情なので、勘弁してください。ここからはぼちぼちやっていく予定です。

という訳で湘南戦。スタメンは以下。

f:id:syukan13:20190617011659j:plain

広島は代表招集のため大迫、泰志が不在。代わりに中林、稲垣が入っています。他にも吉野の復帰、ハイネル初スタメンなど色々といじってきました。湘南も杉岡が代表でいないようですが、このチームはスタメンが普段からいろいろ変わっていて正直よくわかりません。両チームとも3-4-2-1の並びなので、何もしなければミラーゲームになることは予想できますが。

落ち着かない序盤

f:id:syukan13:20190617024526j:plain

さて、システムが噛み合っていることもあり序盤はお互いにボールを落ち着かせることができず、トランジションが連続する展開となりました。特に湘南は広島のボール保持に対して5-3-2のような形で守りながらも後ろの選手がどんどん前に出て迎撃するアグレッシブな守備を見せ、広島に時間を与えませんでした。実際序盤に限っては湘南がカウンターからいくつかチャンスを作り出し、思惑通りに試合を進めている感がありました。

一方、時間を奪われた広島の振る舞いとして印象的だったのは中林に下げてからのロングボールでした。DHを最終ラインに下げて数的優位を確保しようとするのではなく、おとなしくGKを使っていたのは個人的には好印象でした。Dhを下げてもスペースが確保できずに湘南のプレスに捕まっていたでしょうし、前線にはドウグラスと渡がいるのでそれなりに勝算もあります。

そんなところで、強度の高いプレスを持続するのはなかなか難しいという事情とロングボールでプレスが空転したという展開もあり、20分過ぎからは広島がボール保持できるようになっていきました。

噛み合う狙いとウィークポイント

で、広島がボールを保持して湘南が撤退した際、湘南側が徹底していたのが、「3CBはゴール前から離れない」というルールでした。サイドからクロスを上げて中央のドウグラスか渡に合わせる、というのが広島の強い得点パターンなので、ゴール前に3人配置して何としても跳ね返す!という意思を感じました。実際、単純なハイクロスはほぼ跳ね返せていたように思います。ただ、この方針によって空いてしまうスペースがあり、広島はここを使った攻撃も多く取り入れていましたね。

f:id:syukan13:20190617183809j:plain

それが図に示すCBとWBの間で、柏に2人マークを付けてCB3人をゴール前に配置するため、その間には結構なスペースが空いてました。広島は神戸戦や浦和戦でもこういうスペースに川辺を走らせて崩しているなどもともとここの攻略をチームとして狙っている節があり、しかもこの試合は稲垣も起用されていたのでここに選手が入り込んでいく動きが盛んに見られました。広島の狙いと湘南の構造上空くスペースが噛み合ったことで危険な崩しを繰り返すことになりました。例えば森島が深い位置まで走りこんだり、稲垣が低い位置で受けて柏とワンツーしたり、ここの崩しについては多彩なパターンを見せた広島。後半からは右サイドでもこういう崩しを行うようになり、後半開始から20分くらいはほぼずっと俺のターン状態でした。

押し込み続けた結果として森島がPKをゲットして広島が先制。トーンダウンした広島は試合をコントロールしつつカウンターでチャンスを作り、最後に森島の突破から稲垣が2点目決めてゲームエンドという試合になりました。

試合を終えて

 広島は相手のプレスが厳しいと見るやロングボールでプレス回避したり、ハーフスペースが空いてるからDHを突撃させてみたり、右サイドでうまくいったから左サイドでもやってみたりと、相手に合わせて対応してるやん!と言えそうな試合をしていて好印象でした。もっとも、城福監督はこの試合に際して選手にスカウティングの情報はほぼ伝えていなかったようなので、試合中の修正はともかく試合前にどこまで想定していたのかは定かではありませんが。ともかく、この次には相手ががっつり中央~ハーフスペースを封鎖してきた場合にどう動かしていくか、という課題が立ちはだかってくると思うので、そのあたりを見てみたいところです。

湘南は序盤にいい形を見せたものの、トランジションゲームができなくなってからうまく機能しなかったのが厳しかった感じですかね。撤退守備の時にもうちょい頑張ってスライドして封鎖するとかあれば良かったのかもしれませんが、それはそれでカウンターの威力が削がれそうですし……とすれば、やっぱり序盤のようなプレスを持続できるような形を築いていくのが近道なのかもな、と思いました。

それではまた、次回があれば。